「2020年以降200年は、【風の時代】になる」こんな話を聞いたことはありますか?
新型コロナウイルスによるパンデミックで幕を開けた2020年は、経済や政治、医療、流通から日常のコミュニケーションに至るまで、わたしたちの生き方を従来から一変させる年となりました。
これまでの常識が通用しなくなったこの年、『占星術』の世界では実に200年に一度の『大きな転換』が起きていました。
【土の時代】の終わりと【風の時代】の始まりです。大きな変化に順応できる人もいれば、人間関係の希薄化や健康面、仕事といった尽きることのない不安で思い悩む方も多くいらっしゃいます。
始まった新時代をどう生きていくべきか。
今回の【開運コラム】では紀元前にさかのぼる『占星術』の知識とともに、悩みの多い現代を幸せに過ごすためのヒントをご紹介いたします。
『占星術』の始まり―『四元素論』との出会い
そもそも、冒頭に出てきた【風の時代】【土の時代】とはなんでしょうか?
これをひも解くために、まずは『占星術』の歴史や『四元素論』についてご紹介いたします。
『占星術』の成り立ちに関する豆知識。お急ぎの方はこの項目は飛ばしてください!
古代ギリシャの『四元素論』―【火】【土】【風】【水】-
『占星術』の世界では、「この世の物質はすべて【火】【土】【風】【水】のエレメント(元素)によって構成されている」とされます。
これは『占星術』が発達した古代ギリシャで生まれた科学理論、『四元素論』で登場する4つの元素です。
『四元素論』を最初にこれを提唱したのは自然哲学者のエンペドクレスだといわれています。(『四元素論』には多くの解釈が存在しますが、基本的な原則はエンペドクレスの説がもととなります。)
エンペドクレスは宇宙から生命に至るまで、「万物はその素(もと)である【火】【土】【風(空気)】【水】の『四元素』が、混ざったり分離することで実体化している」と唱えました。
このエンペドクレスの『四元素論』は、現代のように量子や原子の存在や、人体の解明がされていなかった頃の西洋思想や哲学、自然哲学、心理学、医療において基盤となる思想となり、多くの研究分野において長らく信じられるようになります。
こうして古代ギリシャで生まれたこの思想が、のちの『占星術』の世界にも浸透していきます。
今でこそ原子が顕微鏡で見えたり量子の存在がわかっていますが、大昔は物質が一体何でできているかわからなかったんですね。
あのユングも自身の心理学に『四元素論』の一部を取り入れていたそうなんだ。ユングが産まれたのは1875年だから、それだけ長い期間人々に支持されてきていたってことだね。
『占星術』の始まりと確立ーバビロニアからギリシャへー
『占星術』の起源は『元素論』が生まれるよりもずっと前、紀元前2千年のバビロニア(現代のイラク南部)です。当時のバビロニアでは水時計や火時計、半球儀を使った天体観測の技術が発展していました。
当時のバビロニアの人々は太陽や月といった惑星の運行記録や、星の出没に関する観測結果、『黄道12宮(いわゆる12星座)』の発見といった、現代の天文学史につながる非常に大きな功績を残しています。
また、バビロニアの人々は天体観測を行う際に、天に浮かぶ星々に神の存在や地上で起こる出来事の予知を結び付けていたといいます。
こうしてバビロニアで生まれた研究手技や思想が現在の『占星術』の始まりなんですね!
紀元前332年になるとバビロニアは古代ギリシャのアレキサンダー大王によって占領されます。バビロニアで発展した天文学の知識や思想のすべては古代ギリシャに引き継がれることとなりました。
この時、当時ギリシャにおいてすべての研究における基盤であった『四元素論』の考え方が、バビロニアで発展した『天文学』と結びつきます。
その後古代ギリシャでは着々と天文学に関する研究が進み、紀元前四世紀~紀元前1世紀には個人の出生時における星々の相関を割り出し、その星位図をトレースする試みが普及しました。
この試みはギリシャ語の『ホロスコペス(東の地平線)』という言葉から、『ホロスコープ占星術』と呼ばれるようになります。こうしてようやく、私たちの知っている『占星術』が誕生しました。
『牡羊座は火の星座』とかよく聞くけど、由来がよくわかっていなかった…。
バビロニア発祥の『天文学』が『四元素説』が盛んだったギリシャで発展する経過でくっついてきた思想なんだよね~。
『占星術』における『四元素』の意味
「この世のあらゆる物質を構成する」とされた『四元素』ですが、『占星術』の世界ではどのような意味をもつのでしょうか?
それでは、【風の時代】の特徴とともに解説していこう。
ヒトの『四元素』ー性格や相性まで決まっちゃう?ー
『占星術』の世界では、12の星座を『四元素』のいずれかの属性に分類しています。
例えばおひつじ座やいて座は【火】、かに座やうお座は【水】といった具合です。
これで何がわかるかというと、実は『四元素』はそれぞれ個性的な性質・特徴をもち、これが人の性格にも影響するとされてます。おひつじ座の人であれば【火】の性質と特徴を色濃く受け継いでいるんですね。
そのため、12星座それぞれの『元素』がわかれば、その人がだいたいどのような性格なのかがわかるのです。実際に占星術で人の性格や相性を見る際は、まずその人が『四元素』のうちどの『元素』に該当するかを最初に見るそうです。
下に代表的な性質を挙げます。あなたの星座はどのような性質なのか見てみてくださいね。
【四元素の性質・特徴】
火の星座(おひつじ座・しし座・いて座)
エネルギッシュで精神論に重きを置く体育会系。現実を直視したり、過去を振り返ることはやや苦手。結果よりもそれに至るまでの過程を大切にしており、目的ややり甲斐がないと一気に意気消沈する。
土の星座(おうし座・おとめ座・やぎ座)
目に見えるものや形のあるものに絶対的な信頼をおく。実利や保証を重視する安定志向で、人の気持ちや目に見えないものを的確にとらえることはやや苦手。現実的でドライな一面があり、結果を重視する。
風の星座(ふたご座・てんびん座・みずがめ座)
知識や情報収集に優れた能力をもち、集めた情報を別の形で活かすことにやりがいを感じる。一つの場所・状態にとどまることを嫌い、刺激や変化のないルーティンワークはやや苦手。淡白で何事にも執着せず、理論や客観性を重視する。
水の星座(かに座・さそり座・うお座)
人との絆や一体感を求めるロマンチスト。人に流されやすく、影響されやすい。共感力に長けるものの具体的・論理的に相手に説明することはやや苦手。何をするにも人の気持ちや雰囲気を重視する。
ただし、皆さんのよく知る『星座』はいわゆる『太陽星座』。
『太陽星座』の属性は人の性格の基本となりますが、実際は『月星座』や『金星星座』等にも影響され、矯正されていきます。詳細はぜひ占い師さんに聞いてみてね!
【風の時代】って結局どういうもの?
4つの『元素』は人やモノだけではなく、私たちが生きる【時代】も同様に司っています。
【時代】の『元素』は【火】【土】【風】【水】の順に巡っており、2020年には【風】の順番が来た。だから【風の時代】と呼ばれています。
もうすこしイメージがしやすいよう、【時代】の『元素』について掘り下げて解説をいたします。
【時代】の『元素』は何を基準に決められているの?
木星と土星が重なる現象、【グレートコンジャンクション】が起きる位置です。そもそも【コンジャンクション】とは惑星同氏が重なり合う現象のことをいいます。太陽と月が重なる『日食』や『月食』も【コンジャンクション】の一種です。
木星と土星も同じように重なり合うタイミングがあるのですが、これだけは他の惑星とは区別され、特別に【グレートコンジャンクション】と呼ばれています。(特別扱いされる理由はのちほどご説明いたします。)
また、『占星術』の世界では地球をぐるっとかこうように星座が存在しているのですが、【時代】の『元素』はグレートコンジャンクション】がどの星座のもとで何度発生したかで決まります。過去の例を使って解説いたします。
【グレートコンジャンクション】はおよそ20年に一度という一定の周期で起こります。
下の表に、歴代の【グレートコンジャンクション】がどの星座で発生したかをまとめました。
年代 | 星座 | 年代 | 星座 | 年代 | 星座 |
ー | 1842 | 山羊座 | 2020 | 水瓶座 | |
ー | 1861 | 乙女座 | 2040 | 天秤座 | |
ー | 1881 | 牡牛座 | ー | ||
1702 | 牡羊座 | 1901 | 山羊座 | ー | |
1728 | 射手座 | 1921 | 乙女座 | ー | |
1742 | 獅子座 | 1940 | 牡牛座 | ー | |
1762 | 牡羊座 | 1941 | 牡牛座 | ー | |
1782 | 射手座 | 1961 | 山羊座 | ー | |
1802 | 乙女座 | 1981 | 天秤座 | ー | |
1821 | 牡羊座 | 2000 | 牡牛座 | ー |
表を見ると【グレートコンジャンクション】は1702年~1821年までの一定の期間【火】の星座で繰り返されたあと、1842年~2000年の一定期間【土】の星座で繰り返されていますね。
もうお気づきかもしれませんが【時代】の『元素』は、『元素』を同じくする星座のもとで、木星と土星の【グレートコンジャンクション】の反復が始まるタイミングをきっかけに循環していきます。
ちなみに【時代】の『元素』は約200年という長い周期で変わります。2020年は実に200年ぶりに時代のエレメントが【土】から【風】に転換した節目の年だったのです。
200年スパンで【火】【土】【風】【水】を巡ってることはざっくりと知っていましたが、こういう理論だったんですね。
おまけ:なぜ木星と土星の接近は特別なの?
編集長!なぜ木星と土星の接近だけが特別扱いされ【グレートコンジャンクション】と呼ばれるのでしょうか?
実は『占星術』の世界では、この2つは惑星の中でも非常に大きな意味を持つ特別な星とされているんだよ。
まず木星は拡大や発展、開放を象徴する『幸運の星』、恩恵や豊かさの象徴とされています。
一方で土星は責任や制限、義務を象徴する『試練の星』。課題や克服の時を表す、対極の意味をもつ惑星です。
この2惑星の相反するエネルギーがぶつかることの影響が地球にいる私たちにも届くことで、【グレートコンジャンクション】の起こる年には世界中で衝突や破壊、そして発展と変革が起こるといわれるのです。こうした影響力の大きさが、木星と土星による【グレートコンジャンクション】が占星術において特別視される理由です。
何が変わる?【風の時代】の特徴
ひとつ前の【土の時代】は、【金銭】【権威】【物質】が重要視され、地盤を安定化させるような社会活動が多くなる年でした。1820年の産業革命を皮切りに世界全体が資本主義的に大きく転換していったことはその一例でしょう。
今後の【風の時代】は【知性】【コミュニケーション】【個性】が重要視される時代です。
価値観は一変し、『目に見えないもの』がより重視されていくようになります。
西暦2020年に入り新型コロナウィルスの影響によりひとの暮らし方が大きく変容し、ネットワークを通じてのコミュニケーションや情報発信が盛んにおこなわれるようになったことはその象徴ともいえるかもしれません。
これから先の200年は文化や技術の進歩や発展が進み、以前は思ってもみなかったような大きな変化が起こる時代となるでしょう。
【風の時代】を生きるコツ
そんな【風の時代】を生きるにあたり、ひとつ大切なことがあります。
それは【言葉】の使い方を意識することです。
【風の時代】には【言葉】が持つ意味や影響が非常に強くなるといいます。
いわゆる『ことだま』の力をうまく使えるかどうかが、幸せになれるかどうかの分かれ目になるのです。せっかくなら、この作用をうまく利用してしまいましょう。
たとえ独り言だったとしても、『でも』『どうせ』『辛い』等の否定的な【言葉】はネガティブな影響となって自分に返ってきます。ぼやきたくなるようなことがあっても避けましょう。
代わりに、心の底では全然おもっていなくても、眠れなくて頭が働いていなくても、言葉だけでも『さすが』『いける』『最高』等の肯定的な【言葉】を使ってみてください。
今は苦しいことがあったとしても、良い【言葉】は波乱万丈な幕開けとなった【風の時代】を生きるあなたを強い力で幸せに導いてくれるはずですよ。
それでも苦しさがぬぐえないのでしたら、そのときは占い師を頼ってみてくださいね。きっとあなたが次に進むためのヒントを一緒に探してくれるでしょう。